soreikehoikuのブログ

日本各地の保育園、幼稚園、認定子ども園の見学にいきました🌱その中で、私たちが感じたことを発信していきます❣️

ホンモノに近づくための道

【それいけ!保育の旅】4日目の午後。

 

京都の宇治にある

みんなのき黄檗子ども園に見学に行った。

 

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園の前に着くと大きなガラスの窓から

少し園の様子が伺えた。

 

お家のような

あたたかみの感じる保育室。

 

少し緊張している私たちを

理事先生と園長長先生が

園の中へと優しく迎え入れてくれた。

 

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“命を大切にすること”

 

この言葉は黄檗子ども園の理念である。

 

物が豊かになっていて、

お金を出せば物が買える時代。

 

壊れたり、なくしたりしてしまったら、

お店で新しく買うことができる。

 

そんな便利な世の中だからこそ、

 

パッチワーク体験(とってつけた体験)は

なるべくせず、

 

長い時間をかけて

1つ1つ丁寧に自身の力で

積み上げることを大切にしていた。

だからこそ

活動の中でプロセスを大切にしていた。 

 

 

衣食住を通して

子どもたちは物事のプロセスを学んでいた。

 

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【衣】

 

 ”藍物語”
 
 
藍の種を土に埋めること
お水をあげること
そして育った葉っぱやお花を摘む
摘んだ葉っぱやお花で布を染める。

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こんな風に染めるそうだ。
とっても綺麗な色だった。
これだけでなく、
Tシャツも染めるんです。

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そして、
最後には
種を収穫する
 
 
これを1年365日通して行う
 
 
お水をあげると
 
「藍がきゅっきゅっきゅって言った!」
 
と子どもたちは
藍とお話しをする。
 
 
子どもたちは
1年間を通して藍を大切に
丁寧に育てていく。
このことをみんなのき黄檗こども園では
藍物語という。
 
 
そして毎年、
年長から年中の子どもへと
藍の種の引継ぎを行う。
 
 
次の年も子どもたちは
藍を種から大切に育て、
藍染まで行う。
 
 
このように
藍の命のサイクルが
何度も回っている。
何世代も藍の種は受け継がれていく。
 
1つの命から何年も命が繋がっていく。 

 

食】

 

モノを選ぶ時代になってきているからこそ

ひとつひとつ大切にしたいため

収穫だけを楽しむのではなく、

 

種の苗を植えて

その工程の中


大変な水やり

草引きを担任と一緒に行い、

みんなで最終の収穫を行う。


このように、

邪魔くさい

手間がかかる体験

を大事にしていこうとしている。

 

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 収穫したお米は自分たちで炊いて

自分たちでつくった梅干しと味噌を使い

梅干しの入ったおにぎりと味噌汁にして

みんなで喜びを味わいながら食べる。

そして卒園していくと

とお聞きした。

 

 

【住】

 

木・自然のぬくもりを大切にしながら創造していく。


園舎にはキャラクター類のものは一切なく

 


自然のモノを大切に

色々な自然のものに親しんでいるという。

 

自然のモノを大切にしていることとして

素敵なエピソードを伺った。

 

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 素敵なクリスマスツリー

 

クリスマスツリーと聞くと

大きなもみの木のツリーをイメージする。

しかし、みんなのき黄檗子ども園は違った。

 

お散歩に行ったときに

子どもたちは枝を拾ってくる

 

 

 

そして、

園に帰るとこの枝が大変身をする。

その枝に嬉しかった気持ちを大切に込めて

 

 

 

 

 

”今日こんなことがあって嬉しかった”

 

  

と、保育者のつくったツリーという名のものに1本積む

 

 

こうした日々の生活の中で生まれた

子どもたちの嬉しかった思いが

クリスマスツリーとして

子どもたちの心と身体と一緒に

成長していく。

 

このクリスマスツリーは

3・4・5歳と持ち越す

子どもたちと一緒に

どんどん大きくなっていく。

 

「豪華な飾りではないけれど

みんなのやさしさがたくさん詰まった

クラスのツリーになっていく」

 

とおっしゃっていた。

心が温まるお話しであった。

 

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今回お話を聞いていく中で

 

理事長先生の

 

どんな個人記録より尊いのは

ずっと続いていくこと

それは、

ホンモノに近づく道だと思っている

 

 

この言葉が印象に残っている。

  

 
1つ1つの過程を大切にし、

1年かけて行う取り組みは

時間も労力も使うが

 

担任だけではなく、チーム一丸となり

支え合って取り組んでいると伺った。

 

みんなのき黄檗こども園で取り組んでいる

 

「衣食住」3つの活動の過程には

強い思いが込められており、

 

ホンモノに近づくための道

つながっているのではないかと思った。